大日本人を見てきた

感想。事前情報以上のネタバレは無し。
映画館で見るのはキツいね!だって観客がものすごい期待と覚悟を持って映画に挑んでるのがわかってしまって、だから自分が普段テレビで見てて笑うような所(例えば部屋にさりげなくダイソンのサイクロン式掃除機が置いてあったりだとかそういうところ)で笑うと一人だけ浮いちゃうんだもの。映画館で笑いをやるならベタなものじゃないとウケにくいなあと思いました。
しかし、自分は笑いをこらえながら見ていたので十分面白かったのだと思います。ヒーローの悲哀を前提条件に、獣との対戦がコント本編。コント部分はほんと無駄にお金使ってる感が(いい意味で)ありありだった。
ほんと、本人が言っていた通りにコントの延長線上にありました。連作コント一気に見てる気分かな。それにものすごいお金をかけてるものだから余計に馬鹿馬鹿しい出来になってて良かった。最後の展開も面白い。たぶん松本さんは内容をもっと事前に言っておきたかったんじゃないか。ちょっと右翼なノリ―――ただし今の日本での右翼ではなく、反米としての右翼―――もあるんだけど、まあ軽い味付け程度。考えなくていいと思う。本人もそれは望んでないだろうし。
あー、あと、海外でウケるはずが無いよコレ。だって身内ネタと巨大ヒーローモノの基本知ってないと笑えないものが多いんだもの。一番面白い笑いって身内ネタですよね、考えるまでもなく。だから松本さんは番組内でも演者を固定して、視聴者側を身内ネタの輪の中に取り入れることをよくやるんだけど、今回は日本がその輪の中に入ってるわけで、でもガイジンは入ってないわけです。あと日本語の響きとか。松本さんは日本語いじらせたら最高に面白いんだけど、海外の人にはそれ使えないわけで、でもこの映画は日本人が見ること前提に作られてるから。
たぶん一般には酷評が多いと思う。というか、意気込んで見に行った人は思い切り肩透かしされただろうから………あと、女性票はほとんど入らないかも。意図的に生理的嫌悪感を含んだ獣デザインしてますし。宣伝方法がマズいんだよなあ、内容知らされてなくて「カンヌ行き!」とか「監督第一作!」とか書かれたら大爆笑かつ知的なものを期待してしまうじゃない、普通は。
これから見に行くって人は、コントを見に行くと言う気持ちで行かないと損しますから気をつけて。